fc2ブログ

Glide Memorial Church

Glide

観光ガイドには載っていませんが、サンフランシスコに観光に来るのであれば、
ぜひ立ち寄って頂きたいところがあります。ダウンタウンの中心部にある、
Glide Memorial Churchという教会です。

「え、なに、教会?」という感じでしょうが、毎週日曜に行われているイベントに参加すれば、
ここが教会というものの定義をはるかに超えた場所だということがすぐに分かるはずです。

通常の教会では、毎週日曜のミサでは賛美歌を静かに歌って厳かな説教を聴きますが、
ここGlideでは、かわりにゴスペルを大合唱し、その後に超過激な演説が行われるのです。

実はここ、公民権運動やベトナム反戦運動などといった60年代から70年代にかけては
カウンターカルチャー(抵抗文化)の発信源となった場所であり、
アメリカの世の中を変えてきたそのパワーを、今なお力強く感じられる場所なのです。

キリスト教徒でもなく、音楽だってそんなに熱心に聴く方ではない僕でも、
その音楽と言葉の凄まじいパワーには、いつも魂を揺さぶられるような衝撃を覚えます。
(僕はこの魅力にハマってしまい、もう何度となく足を運んでいます...)


↓昨日撮影してきた動画。デジカメなんで、ブレブレですが。。。




そして、何より驚かされるのは、Glideの教会という枠を超えた活動の幅広さと、その実績です。

Glideは、1960年代から、社会的弱者のための炊き出しや宿泊施設の提供、
さらには職業訓練や医療サービスなどの活動を積極的に行ってきています。
たとえば炊き出しは、年間85万食という凄まじい規模です。。。

Glideの功績は幅広く認められていて、クリントン元大統領やウォーレン・バフェットなども
その絶大な社会的価値を認めて多額の寄付をしています。

また、ウィル・スミス主演の「幸せのちから(2006年)」では、
映画の重要な舞台の1つとしてGlideが使われ、けっこう話題になりました。
Glideの生活補助を受けながら成功を手にした人物を題材にした実話で、オススメです。

幸せのちから [DVD]幸せのちから [DVD]
(2008/08/20)
ウィル・スミスタンディ・ニュートン

商品詳細を見る


なお、この映画にホームレス役としてお茶目にエキストラ出演しているのが、
1929年に設立された普通の教会をカウンターカルチャーの発信源へと
生まれ変わらせた伝説の男、Cecil Williamsです。

現在80歳の彼は毎週日曜のイベントにはかかさず出席しており、
今も凄まじくパワフルな演説を聞かせてくれます。必聴です!

Cecil Williams


それから、日曜のイベントなどでGlideの活動に興味を持った人が
ボランティアとして活動に参加する仕組みも、とても良くできています。
様々な活動に、ホームページから申し込んで簡単に参加することができます。

Glide Memorial Churchのホームページ

ちなみに僕も2年前に初めてサンフランシスコに来たとき
炊き出しボランティアに参加して、非常によい経験をすることができました。


とにかく、サンフランシスコに来られる方は、ぜひ訪問してみてください。

この街に息づくカウンターカルチャーの躍動を
こんなにもリアルに感じられる場所は、Glideの他に存在しません!


最後に、すぐリンク切れになっちゃいそうですが、
Glideのホームページからとってきた動画を貼っておきます。

怖いくらいに、世界中の大物たちが映っています。。。

"Welcome Table" Music Video | Invitation to Glide's Annual Holiday Festival, Nov. 12, 2009, SF War Memorial Opera House from Glide Foundation on Vimeo.


Lost in Twitterization

全世界で大旋風を巻き起こしているTwitterですが、
実はいまボクは、その総本山の真下で働いています。

Office

ちと見にくいのですが、3階にあるのがボクのインターン先のOne Economyで、
その上4階にあるのがTwitterのサンフランシスコ本社です。

中を覗こうと4階に行ってみたこともありますが、当然のことながら潜入はできませんでした。
・・・と、残念に思っていたら、どうやら先に内部潜入に成功した日本人がいたようです。
この人の好奇心やら行動力には、どうしてなかなか凄いものがありますね。。。

勝間和代のTwitter米本社訪問記

One Economy Office
↑ほぼ無関係ですが、こちらはボクのインターン先のオフィス


近所のよしみということで、ボクもTwitterやっているのですが、やはり噂通り面白いです。
情報感度の高い人たちの間で交わされる生の議論がリアルタイムで聞けたり、
最新の情報が最小限の労力で気軽にシェアできるというのは、今までになかったことです。

僕のtwitterアカウント(あまりつぶやいていませんが、フォロー歓迎です)

ただ、少し気になっていることもあります。

Twitterによって、「いつでも」「誰でも」「簡単に」リアルタイムの情報のやりとりが
できるようになってきているのは大変素晴らしいことなのですが、一方で、
情報の質や深さに対して、なかなか注意が向かなくなってくような気もしています。

Twitterが流行り続け、より多くの140文字以内の情報が消費されるようになっていけば、
次第に、140字を超える情報は冗長だと判断されるようになっていくのではないでしょうか。
そうなれば、より加速度的に、140字の情報が大量生産・大量消費されていくことでしょう。

その情報の絶対数の増大によって得るものも大きいと思いますが、逆に、
情報の単純化によって失われるものも、同じくらい大きいのではないかとボクは感じています。

Twitter

そして、このTwitterization(=情報のTwitter化)とでも呼ぶべき現象は、
NPO/NGOの世界でも見られるように思います。

・Volvicの1Lfor10Lプログラム
・Table For Twoの20円で世界の飽食と飢餓を解決する仕組み
・Room to ReadのBeers for Booksイベント

これらはどれも昨今のNPO/NGO業界で話題になっている取り組みですが、
その共通項は、どれも「誰の目にも分かりやすい簡単で単純な仕組み」ということです。

それぞれ、支援者を巻き込んでいく視点を大事にしなければならない
NPO/NGOや国際機関が考えだした、秀逸で素晴らしいアイデアだと思います。

ただ、この分かりやすさを求める風潮にも、次のようなリスクがあるのではないかと思います。

①目に見えにくい活動に対する世の中の関心の低下

例えば、ボクがとても応援している国際協力NGOに、
スーダンの無医村で医療活動をしているロシナンテスという団体がありますが、
この団体の活動の素晴らしさを、パッと言葉で表すのは非常に難しいです。

ボクはロシナンテスの掲げる理念の深い部分に強く共鳴するので応援しているのですが、
これはなかなか、ちょっと説明しただけで伝わったりするものではありません。
また、活動の成果についても、資材調達が難しく、不確定要素も多い地域では、
単純に「xx円でスーダンに○○が届きます」といった形で活動成果を示すことが困難です。
地道で長期的な活動であり、まさに「心で感じる」ような活動なのです。

こういった団体の良さを、単純化された情報の中で分かりやすく伝えるのは至難の業です。
もちろん、ボクのような一部のマニアックなファンはずっと応援し続けるでしょうが、
今後世の中全体が「目に見えにくい成果を求める」活動を支援していけるのか、少し不安です。

②NPO/NGO側の、説明責任を果たすインセンティブの低下

NPO/NGOの内側にも、誰もに分かりやすい部分の活動に
特化することを求められることのリスクはあると思います。

よくあることですが、活動資金となる寄付をする側にとっては、
ある団体が建てた学校の数やそこで学んだ生徒の数が重要であり、
「どれくらいの生徒が退学せずに卒業できたか」「教育のレベルは高いのか」といった
細かい点まではあまり気にしていないということが多いようです。

そうなった際に、NPO/NGOが高い職業倫理を持って質の高い活動を続けられるか、
これは非常に難しい問題だと思います。ともすれば、資金調達の難しさがゆえに、
支援者受けしやすい活動に特化する、などといったことが起こる危険性もあります。

これは、大変難しい問題だと思います。



以上、ここまで自由気ままに書いてきて、この記事の文字数は1,400文字。
どう考えても、Twitterでこの想いは伝えられません。

ここまで辛抱強く読んでくださった方、ありがとうございます!

Critical Mass

Critical Mass

サンフランシスコで最も盛り上がるイベントはハロウィンと聞いていたのですが、
その前日に参加したイベントが、どう考えてもハロウィンより強烈だったのでレポートします。

その名も、Critical Mass(クリティカル・マス)

なんだか難しい名前ですが、基本的には「チャリンコ野郎の大暴走」です。

毎月最終金曜の17時くらいに、どこからともなくチャリンコ野郎が
わらわらと集まって、道路を占拠しながら街中を自由気ままに爆走するイベントです。

今回はハロウィン前日だったってこともあり、
みんなコスチュームつけてて、ものすごいことになってました。
参加者は、なんと推定5,000人以上。

コスチューム①

コスチューム②

ちなみに、こんなアホっぽい雰囲気ではありますが、
実は、1992年にサンフランシスコで生まれたれっきとした社会運動です。

環境意識の高まりと石油本位主義への疑問から、
車中心の生活を変えようとした人々が始めたデモ行進なんです。

クリティカル・マスとは、日本語になおすと『臨界質量』。

「何ごとも一定量に達すれば、世の中のルールが変わる」

きっとそんな意味が込められているんだと思います。

とにかく、見よ、この衝撃の無秩序状態を!




それから、何がすごいって、このイベントはリーダーがいないのです。
さらに言えば、事務局もなければホームページも何にもない。

最終金曜の17時になったら適当に人が集まって、適当に走り始め、
適当にコースを変えながら、疲れたら適当に終わるっていう、そんな感じなんです。

こんな形で運営されて20年近くも続いてるイベント、
他にはそうそうないんじゃないでしょうか・・・

うーん、アイデアさえ面白ければ、リーダーがいなくても人はついてくるんだなぁ

と、そんなことを、イチローのユニフォーム着てチャリ漕ぎながら考えてました。
(街の人から「ICHIRO-!」とか「Kattobase-!」とか言われて、嬉しかったです)

大暴走①
信号とか、完全に関係なし

大暴走②
トンネルだって、大爆走


ただ、いきなり現れて道路を30分以上ふさいでしまう大集団に、
当然のようにドライバーの皆さんは大激怒。

この日、一体何回ケンカを目撃しただろうか。。。

Arthur
悠然と車道を塞ぐインターン先NPOの上司アーサー
(この後キレたドライバーにスプレーかけられてました)


まぁ、とにもかくにも、クレイジーでパワフルでリベラルな、
いかにもサンフランシスコらしい良いイベントでした。

クリティカル・マスの歴史に興味がある方は、
ちょっと古いですが、下記のサイトに色々情報が載ってます。

クリティカル・マスの歴史

いやぁ、やっぱサンフランシスコって、いい街だなぁ…

Taproot Foundation×サービスグラント東京

以前からとても気になっていた団体に、Taproot FoundationというNPOがある。
このNPOが取り組んでいるのは、NPOの世界とビジネスの世界の橋渡し。

特定のスキルやリソースがなくて困っているNPOに、
ビジネスプロフェッショナルがお金ではなくスキルで一定期間貢献するという
「プロボノ(Pro Bono)」と呼ばれる活動を促進している団体です。

誰でもできる単純作業をするボランティアとは違い、ビジネスで培ったスキルをフル活用して
プロフェッショナルとして社会に貢献するというスタイルが、時代にマッチしている気がします。

Taproot
Taproot Foundationのホームページ

2001年にここサンフランシスコで産声を上げたこのNPOは、
今やアメリカ全土に6つのオフィスを構えるようにまでなっており、これまでに...

・1,000団体近くのNPOを支援
・25,000人のビジネスプロフェッショナルが参加
・50億円相当のサービスを創出

という、凄まじい実績を生み出しています。まさに、世の中を変えている団体じゃないでしょうか。
ちなみに代表のアーロン・ハーストさんは、あのアショカ財団のフェローにも選ばれてます。

そして、嬉しいことにこのプロボノの波は日本にもやってきていて、
日本でもサービスグラント東京という団体が本格的に活動を始めています。

自分にも何かできないかと思い、思い切ってサービスグラント代表の嵯峨さんに連絡してみると、
「今度日本でイベントやるから、それに向けてTaprootの活動をビデオで撮影してもらえない?」
という何とも素晴らしい頼まれごと頂戴することができました。


・・・というわけで、早速、ビデオカメラ片手にTaproot本部に潜入してきました!

今回は、新加入者向けオリエンテーション(2時間くらい)の模様と、
職員の方数名へのインタビューとを撮影してまいりました。

例によって、備忘録的に今回の気付きと感想を書いておきます。

Taproot orientation


①参加者のレベルが高い!

さて、今回最も驚いたのは、参加者のレベルの高さです。

今回のオリエンテーション参加者の平均年齢はだいたい40-50歳って感じで、
自己紹介を聞いていると、皆さん完全にその道のプロって感じの人がほとんどでした。

それもそのはず、職員の方によると、ボランティアは書類選考の段階で30%程度に絞り込まれ、
残った人の中で特に案件にフィットしそうな人だけがプログラムに参加できるらしいのです。

ちなみに、ボクが勤めている戦略コンサルティング会社の人も沢山参加しているようですが、
どうも、ボクのような若手コンサルタントでは書類選考の段階で落とされる模様。。。
実は何人かプロファイルを教えてもらいましたが、とてつもない重鎮クラスまで参加していました。

とにかく、驚きのクオリティの高さなんです。

そこまで聞いて、そんなに絞ったら人が集まらないんじゃないかと心配そうな顔をしていると、
「ここまでやっても月2回のオリエンテーションはすぐに満席になっちゃって困っているの」
と職員の方。何というか、驚きを通り越した感じですね。。。

すごいウネリが、起きてるようです。


②代表のビジョンに感動!

オリエンテーションの冒頭では、代表のアーロン・ハーストさんが
Taproot Foundationを設立したキッカケについての話がありました。

彼の祖父は、アメリカ版の青年海外協力隊であるPeace Corpsの構想を打ち立てた人で、
「祖父の作ったPeace Corpsのビジネスプロフェッショナル版を作りたい!」という想いが
このTaproot Foundation設立につながったのだそうです。

このエピソードには、青年海外協力隊OBである僕は、胸から込み上げてくるものがありました。
青年海外協力隊のような素晴らしい仕組みを、もっと対象を広げて
日本でドンドン広めていくべきという持論を持っている自分には、たまらない言葉でした。

アーロン・ハースト
アーロン・ハーストさん
(残念ながら今回は会えず。。。)

③失業中の人が多い

一方、今回のオリエンテーションに参加した人の中には、失業中の人も多かったです。
おそらく4分の1くらいの人がそうだったんじゃないでしょうか…

失業率が高くなってるとニュースではよく耳にしていたものの、
実際にこうした現状を目の当たりにすると、やはりショックですね。

「時間のある間に、いつもとちょっと違うことをして自分のスキルアップや視野拡大に繋げたい」
っていう層も、Taprootの参加者母体の中には、どうやら結構な割合でいるようです。

この辺りも、一部では有名な
「景気が悪くなると青年海外協力隊の参加者数が急増する」
っていう現象にかなり近いものがあるかもしれません。


④これはきっと日本人の働き方も変える!

最後に、これはかなり大げさで個人的な確信ですが、このプロボノというあり方は、
日本人の働き方をゆっくりとゆっくりと変えていくように思います。

今回のオリエンテーション参加者の参加理由で最も多かった答えは、これ。

「昔は社会貢献に興味を持っていたけど、しばらく遠ざかっていた。でも、Taprootの存在を知って、仕事をしながら本格的にNPOの活動に携われると聞いて、社会貢献の世界に戻ろうと思った」

このニーズ、間違いなく日本にも莫大に存在していると思う。

ボクが日本で運営している若手社会人のコミュニティにも、自分のスキルをいかして
NPOでの活動をしてみたいという想いを持った人間が、ビックリするほど沢山います。

ただ一方で、こうしたボランティアベースの活動には
色々な難しさ(モチベーション維持の難しさ、ニーズのミスマッチ、などなど)があるのも事実で、
それによって、なかなか広まっていないのが現状だと思います。

でも、Taprootやサービスグラントのような頼もしい中間支援団体さえいれば、
こうした不幸なギャップが解消されて、多くの人が自己実現の機会を得ることができるはずです。

このプロボノっていうあり方が定着すれば、
きっと、日本人はもっと楽しく刺激的に働けるんじゃないでしょうか。


+++++

さて、テンションの異常に高いレポートからお分かりのように、
今回のTaprootでのビデオ撮影は非常に刺激的な経験だったわけですが、
肝心のビデオは、12月5日(土)に行われるサービスグラント東京のイベント、
その名も「HELLO, PROBONO!」で上映される予定です。

ボクのビデオはどうでもいいとして、日本人の働き方を変えるキッカケになるであろう
このイベント、とにかく要チェックです。日本の皆さん、今すぐ申し込んじゃいましょう!

SGT
サービスグラント東京の特設ウェブサイト



代表の嵯峨生馬さんのメッセージ。ぜひ聞いてみてください!

Room to Read

日本でも多くのサポーターと寄付を獲得している教育系NPOのRoom to Readも、他の多くの有名NPOの例に漏れず、ここサンフランシスコに本部を置いています。

そのRoom to Read(RtoR)が年に1回のファンドレイジングイベントを行うという情報をキャッチし、セレブな雰囲気の漂う会場に、例によってジーパン姿で潜入してきました。せっかくなので、おそらく世界でも屈指のファンドレイジングイベントについて、備忘録的にご報告します。

マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になったマイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった
(2007/09/21)
ジョン ウッド

商品詳細を見る


①会場の雰囲気

まず、参加者は200人程度。30代後半から50代くらいの人が中心で、ドレスアップしている人も多かったです。ちなみに会費はVIPが$125、一般$50と分かれています。僕は当然「一般」にて参加しましたが、VIPは前入りしてジョン・ウッドさんとの会話が楽しめたらしいです。

会場はサンフランシスコの一等地であるCivic Centerの横のオペラハウス。テラスもある、非常に素敵なところでした。

会場②

会場①

こうしたセレブ感が漂う一方で、会場にはボランティアが至るところにいて、この会がボランティアの協力によって成り立っていることが参加者に伝わってきました。これによって、会場にある種の温かみも感じられた気がします。泥臭すぎず、また上品すぎない、この辺のバランスが上手いなぁと、感じました。

ちなみに会場では、美味しそうな食べ物とワインがボーイさんによって振舞われます。写真は今日のイベントのためにラベリングされたRtoRオリジナルワインです。

RtoRワイン

②ジョン・ウッドさんのスピーチ

上の本の著者でありRtoRのFounderでもある彼も、当然会場に姿を現していました。カリスマ的なオーラがあるというよりは、温厚な人柄といった印象の彼ですが、スピーチはとても上手かったです。正味20分くらいのスピーチで、観客を魅了していました。

印象的だったのは、とにかく子供たちの写真を効果的に使うこと。それから、数字(設立した学校の数、寄付学などなど)を畳み掛けるように使って、とにかく成果が出てることを強調していること。特に、カーネギーを引き合いに出して、「彼がアメリカ中に2500の図書館を建てたように、RtoRは世界中にxxxxの学校を作る!」といったシーンはインパクトがありました。(すみません、数字覚えてません。。。)

カーネギー

ただ、その一方で、あまりプロジェクトの詳細には触れない、という印象も受けました。これは会場の6-7割くらいが初めてRtoRのイベントに足を運んだ人たちだったからかもしれませんが、個人的にはちょっとした消化不良でした。子供たちの笑顔というビジュアルと、圧倒的な数字とに、どこか誤魔化されているような感覚を覚えてしまいました。このあたり、日本のNPOは一般的にもっと詳細を説明している気がします。まぁ、良し悪しですね。

③ファンドレイジングの仕掛け

さて、肝心のファンドレイジングですが、基本的にはオークションがメインでした。会場の至るところにある帳簿にサインして入札する形式と、実際に会場全体で競りのような形で行われる形式の2パターンがありました。

オークション

圧巻だったのは、競り形式のオークション。なんとジョン・ウッド本人がauctioneer(オークションの司会)をやっていました。これには本当に驚きました。そして、これがまた本当に上手い!ワインなどを中心に、$5,000くらいの値段がバンバンついてました。。。夫婦や友人同士で来ている人が多く、互いにいいとこ見せようと張り切ってトンでもない値段がドンドンついていくんです。。。



このエンターテインメント性の高さは、スゴいの一言です。。。

ただし、auctioneer立会いでの競売形式は既存の日本のNPO支持層には馴染まないようにも思います。日本人には、まだ金持ちの道楽としてのイメージが強く、きっとこれを日本でやったら一部の人からは批判も噴出するんじゃないでしょうか。。。

とはいえ、日本にもこうしたファンドレイジングを求める層も間違いなくいるわけで、こうした形式もターゲットに応じて取り入れていくべきとも思います。お金持ちからどれだけ寄付を獲得できるかは、当然ながら重要です。

にしても、代表がここまで先陣を切ってファンドレイジングをやってる団体、なかなかないですよね。

+++++


と、備忘録はこんなところでしょうか。

いやぁ、それにしても、かなり勉強になりました。
$50分くらいのワインは飲んだ気もするし、十分にお金を払った価値のあるイベントでした。