ぶらり九州の旅
- Day:2008.01.28
- Cat:学生時代(日本編)
そして特急列車を一切使わないという相当に安上がりな旅。
いやはや、かんなり楽しかったっす。
中でも一番印象に残ったのは、大分県の別府。
そう、割と年配の方に人気のある、日本一の温泉地。
割と地味なイメージだったから当初は行く予定じゃなかったけど、
気付けば全旅程10日のうち3日間も滞在しちゃいました。
まぁ何というかノンビリした雰囲気が良かったんだけど、
何よりも素晴らしい出会いがあったのが大きかった。
ボクが出会ったのは、藤山さんというジイちゃん。72歳。
日本有数の秘湯、「蛇ん湯(へびんゆ)」の生みの親だ。

別府の見所は、一般的には大きく2つ。
100円で入れちゃう名湯がワンサカある駅周辺のエリアと、
色んなタイプの温泉を巡る、通称「地獄めぐり」で有名なエリア。
「でも一番気持ちいいのは、メジャーなガイドブックには
あんま載ってない山奥の秘湯があるエリアなんだよねー。」
別府に住む友人からそんな最高の情報を耳にし、
「あ、でも車がないと行けないよ。」という忠告の部分は
聞こえなかったフリをして、早起きして徒歩による攻略に挑戦。
そして何とかかんとか辿りついた
秘湯のうちの一つが、「蛇ん湯」だった。
険しい山道の途中にいきなり現れる、
河川をそのまま利用した温泉。

「五感を刺激し、第六感を覚醒させる」
そんな、友人のあまりに大袈裟な表現もピッタリと言わざるをえない、
まさに自然と自分とが一体化してることを感じることができる場所だった。
で、その秘湯を独り占めしてるときに
たまたま入浴してきたジイちゃんが、藤山さんだった。
「兄ちゃんここまで歩いてきたのか!?」と、
あまりに無計画なボクに興味を持ってくれた藤山さんは、
「蛇ん湯」のことを色々と聞かせてくれた。
なんでも「蛇ん湯」は、近所にも温泉が欲しいって考えた
地域の「温泉好き」が4~5人集まって、趣味で作ったものらしい。
工事費や維持費、運営コストも、仲間うちで負担しているとのこと。
ボクのような外部者にも無料で開放してて、お金は一切取ってない。
「そんなん、自分らが入りたくてやってんだから当然だよー」
藤山さんは、ひょうひょうとそう言ってのける。
はじめは石で囲っただけの簡単なものだったらしい。
それを、仲間同士で道具を持ち寄ったり、廃棄されたパイプを拾ったりして、
仲間うちで「楽しくてたまんなくて、夢中で」作っていったんだという。
それが、今では日本有数の秘湯として全国の人から愛されるようになっている。
それを作り上げた藤山さんのパワーにしきりに感心してると、
「確かに一人じゃできないけど、二人集まって楽しいアイデアを
出し合ってたら、いつの間にか大抵のことはできちゃうもんだよ」
ちなみに今は、仲間うちで山小屋も作っちゃおうと奮闘中。
そんなことを語る72歳のジイちゃんの、少年みたいに
キラキラした眼がすんごい印象的だった。
今回の旅行では、「シャッター通り」って言葉の通り、
やっぱ日本の地方には元気がないのかなぁと感じていた矢先のこの出会い。
こんな「おもろい」ジイちゃんがいるってことが、
なんだかすんごい嬉しかった。
ちなみに、温泉を出た後は「地元で評判なんだ」という
小さな定食屋さんにも連れてってもらいました。本当に感謝です。
いやー、やっぱ旅は最高ですな。
写真は、市街と海を一望できる「鍋山の湯」。
別府、まじでオススメです。人も温泉もあったかいです。
