fc2ブログ

南米紀行

ニューヨークに着いた。
着いてしまった。

寒い。
とても、寒い。

この極限の寒さを少しでも忘れるために、
ペルー・ボリビア12日間の旅を振り返ってみる。

~ペルー編~

至るところに歴史的建造物のある、首都リマ
Lima

街自体が世界遺産、クスコ
Cusco

期待を遥かに上回った、やっぱり最高なマチュピチュ
Machu Pichu

琵琶湖の12倍の大きさ、どこまでも青いチチカカ湖
Lake Titikaka

チチカカ湖に浮かぶ藁でつくられた浮島、ウロス島
Uros


~ボリビア編~

夜景が美しい標高3600Mの盆地、首都ラパス
La Paz

知る人ぞ知る伝説の地、ウユニ塩湖
Uyuni

信じられない空の色、ウユニ塩湖の夕日
Sunset in Uyuni


というわけで(写真しか載せてませんが)、大満足の旅でした。
人もよく、ご飯も美味しく、見どころが多くて、
スペイン語が分からなくても、十分に楽しめました。

ちょっと日本からは遠いけれど、オススメの旅行先です。

A girl in Peru

さらばサンフランシスコ!

4ヶ月にわたるサンフランシスコ生活が、遂に終わりを告げてしまった。

人・気候・自然・文化・レストラン…
なにをとっても、生活するには最高の街だったと思います。
完全に、サンフランシスコのファンになりました。


素晴らしい出会いも沢山あり、自分にとっては
日本・シリアに次ぐ第3の故郷って感じの場所になりました。

この街を去らなきゃならないのが、死ぬほど寂しいです。


Golden Gate Bridge
↑サンフランシスコのシンボル、ゴールデンゲートブリッジ

Night View
↑住んでいた家から見えていた素晴らしい夜景

Sunrise View
↑同じく毎朝感動させられていた日の出の景色


さて、これから真冬のNYへと移るわけですが、
その前に、、、

ちょっくら南米を旅行してきます。

AmeriCorps*VISTA

PeaceCorps(アメリカ版青年海外協力隊)の国内版とでも言うべきプログラムに、AmeriCorps("アメリコー"と読む)というものがある。アメリカにおいてもPeaceCorpsほど認知度は高くないが、非常に素晴らしいプログラムだ。

日本語でこのプログラムを紹介した記事があまりないようなので、インターン先でAmeriCorpsプログラム参加者(22歳、女性)にインタビューした内容も織り交ぜて、その概要を少し書いてみたいと思う。(というわけで、今回も一部のマニア向けの記事です…)


AmeriCoprsとは、アメリカ国民に国内の社会問題解決の現場で一定期間働く機会を提供することを目的としたプログラムである。僕も調べるまでは知らなかったが、AmeriCorpsといっても、

・NCCC (National Civilian Community Corps)
・State and National
・VISTA (Volunteers in Service to America)

という3つのプログラムに分かれているらしい。今回は、このうちNPOに直接かかわる
AmeriCorps*VISTA(以下、VISTA)に絞って書いていきたい。



・プログラムの概要
VISTAとは、アメリカ政府が運営する、アメリカ国内の貧困にかかわる問題を扱うNPOにおいて1年間フルタイムで働くというプログラムである。

ユニークなのは、プログラムの対象が間接業務に絞られているということだろう。間接業務とは、受益者に直接サービスを提供しない業務のことである。例えば教育プログラムを例にとれば、直接子どもに教えることはせず、そのプログラムの企画・運営を行うわけである。このあたり、日本の青年海外協力隊とはかなり趣が異なる。

なお、AmeriCorps*VISTAという現在の名称になったのはクリントン大統領がAmeriCorpsを創設した1996年だが、VISTA自体の歴史は1965年にまで遡る。創設以来17万人がVISTAとしてNPOで働いたというから、そのインパクトは計り知れない。

・ 給与面
一部の手当(住居や社会保険など)を除く大部分が政府から支給される。そのため、NPOとしては政府から労働力の助成を受けていることになるわけだ。ちなみに僕がインターンをしているNPO(年間予算規模10億円程度、総職員100名強)では現在計7名のVISTAが働いている。

給与額は、「アメリカの貧困層と同様の経験をするため」という名目で、給与基準は各地域の貧困ラインと同レベルの額が支給されている。この支給額だけで生活するのはかなり苦しいらしく、インタビューした同僚は親からの仕送りに頼らざるを得ないと言っていた。

・参加者層
年齢制限はなく、参加者は高卒18歳から定年後の層までと幅広い。なかには70歳くらいの人も参加しているとのこと。ただし、やはり多いのは大学(院)卒業後に参加するケースと民間企業で数年働いてから参加するケースで、平均年齢は25歳程度。

AmeriCorps
↑駅などで見かけるAmeriCorps募集の看板

・参加動機
インタビューした同僚いわく、「自分の進路を定める上で何らかの経験をしたい。でも、せっかく何かやるなら社会のためになることをしたい」というのが最も一般的な参加動機とのこと。その他にも、NPO就職に向けたステップと考えて参加する人や、はたまたリストラにあったのをきっかけに参加するという人も多いらしい。

・応募プロセス
一斉募集をするわけではなく、新しい案件が出るごとに職務内容がHPにアップされ、それを見て興味を持った人間がHP経由でレジュメをNPOに送るらしい。ただ、NPO側は独自のレジュメ提出を求めることも多いなど応募プロセスはバラバラで、同僚いわく「HPは単なる求人情報サイトでしかない」とのこと。

・サポート制度
サポート体制は充実しており、5日間程度の研修が開始前含めて3-4回ほどある。また、プログラム期間中はPoint Personと呼ばれる相談役のような人から業務面や生活面でのコーチングを受けることもできるとのこと。

・終了後の進路と評価
最も多いのが大学(院)進学で、だいたい4-5割くらいとのこと。また、NPOに就職する人間も3割程度とかなり多く、中には受け入れ先の団体にそのまま就職するケースもあるらしい。進学後にNPOに就職する層も合わせれば、かなりの割合でNPOセクターに携わっていることになるだろう。

そして、何よりも印象的なのは、このプログラムに参加することが、「キャリアとしては最高に評価される」という同僚の言葉だ。行政機関でも民間企業でも、AmericCorps経験者と履歴書に書くことは、この上ない評価に繋がるらしいのだ。日本では青年海外協力隊での経験が必ずしもプラスに取られるわけではないので、この点では両国に大きな違いがあると言えるだろう。


以上、長くなったが、調べ物&インタビューの結果を徒然なるままに書いてみた。

総じて、社会的意識が高くヤル気のある人間に一歩踏み出すキッカケを与える、非常に有意義なプログラムだと思う。なかでもVISTA経験者が世の中で高く評価されていることは、NPO/民間/政府というセクター間の人材循環を促進する上でも本当に素晴らしい。

雇用対策という名目なのだろうが、オバマ政権は2010年予算でAmericorpsプログラムに3.7億ドル(前年比37%増)を計上した。受け入れ側のNPOの体力が若干心配ではあるが、経済不況で助成金や寄付金が大幅削減される中、NPOにとっては久々の嬉しいニュースのようだ。

日本でも民主党政権がNPOや社会起業家に積極的にお金を出し始めているが、ぜひ非営利セクターの発展にとって意義深いお金の使い方をして欲しい。

フルマラソン走破(3年連続3回目)

もう二度と、フルマラソンには出ない。

去年の河口湖マラソンで乳酸と格闘しながらそう固く誓ったはずだったのに、
いつの間にかそんな恐ろしく苦しい記憶を完全に葬り去って、
ついつい勢い余って、今年もネットでエントリーボタンを押してしまった。

しかも今年は河口湖とかではなく、カリフォルニアで。

というわけで、、、
California International Marathonを走ってきた。

突き抜ける青空の気持ちのいいカリフォルニアの大地を、
途中まではかなりいいペースで、とても快調に走れた。

マラソンでは、35キロ地点には魔物が住んでいると言われるのだけど、
もしかしたらこの国はマイル法の国だから、魔物は住んでないんじゃないか?

そんなことを考えて、ほくそ笑んでたくらい。

でも、23マイル地点、つまりは35キロ地点に、
やっぱりこの国にも魔物は住んでいた。

アメリカのデビルに、全身を激しく襲われました。

California International Marathon

上の写真は、ゴール付近で急激に失速して
おじいちゃんランナーやおばさんランナーに抜かれまくってるシーン。
紫色のパーカーを来て痙攣状態の足を引きずっているのがボク。

結果的に、記録は3時間50分

まだまだイマイチな記録だけど、目標の3時間台ゴールは何とか達成できた。
毎年10分くらい記録が伸びてるのも嬉しいところ。


来年の目標は、フルマラソンでの3時間40分突破と
トライアスロンでの2時間台フィニッシュかなぁ。

NPOの世代交代

サンフランシスコではとても有名な革新的な財団の創業者、
タイズ財団ドラモンド・パイクさんがCEOのポジションを退くことを決めた。

ドラモンド・パイクさんのブログ

パイクさんは、現在60歳。
まだまだできる年齢だとも、考えられる。

では、なぜ引退するのか?

それは、1人のカリスマ創設者にたよった経営をする組織ではなく、
持続的に成果を出す組織に成長させることを目指した上での決断なのだと思う。

もちろんこの答えは推測の域をでないけれど、おそらく、
こうしたことを考えている団体がいくらかでもあるということが、
アメリカのNPOが日本よりも「進んでいる」所以なのではないだろうか。


さて、これに絡んで、ちょっと前に読んだ
それはそれはマニアックな本の内容を少し紹介したい。

Working Across Generations: Defining the Future of Nonprofit Leadership (Kim Klein's Chardon Press)Working Across Generations: Defining the Future of Nonprofit Leadership (Kim Klein's Chardon Press)
(2008/10/27)
Frances KunreutherHelen Kim

商品詳細を見る

僕は以前より、NPO業界に世代間で大きな考え方の違いがあると感じていたが、
「Working Across Generation」と題されたこの本には、まさにそのあたりが書いてある。
せっかくなので、特に面白かった内容を2つほど取り上げたい。


①NPOワーカーの世代マッピング

筆者はNPO業界で働く人々を4つの世代に分け、代表的な特徴を次のように整理している。
(ただし、かなりの勢いで僕の意訳が入っているのでご注意を)

変革ベテラン世代 (1925-45年生まれ)
NPOという概念を創り上げた草分けの世代で、百戦錬磨の大ベテラン
組織に対する忠誠・コミットメントを重要視し、トップダウン型の傾向あり

ベイビーブーマー (1946-64年生まれ)
自分たちは変化を起こせると信じ、ひらすら働き続ける人たち
最近は多すぎる業務に疲れ気味で、輝かしい60-70年代を懐かしむ傾向あり

ジェネレーションX (1965-1979年生まれ)
前後のボリュームの大きな世代に挟まれて、比較的存在感のない世代
ブーマー世代の自己犠牲的な働き方に懐疑的で、もっと楽しく働こうとする

ミレニアム (1980-2000年生まれ)
従来のやり方を否定し、測定可能な成果やビジネスとの連携が必要と主張
様々な方法論を振りかざし、実践的であることを喜びとする


この分類、当然アメリカにおける世代分類なのだけれど、
日本にもほぼ完璧に当てはまってしまうのが非常に面白いところ。

そして、やはり僕が気になるのは、ベイビーブーマーvsミレニアムの構図。

日本においては、70年代からNPO/NGOを引っ張ってきた「団塊の世代」と、
NPO法施行後の設立ラッシュや社会起業家ブームで出てきた「ロスジェネ世代」との
考え方の違いだと言うことができるだろう。

それぞれの世代が主催するイベントに出てみても、
この両者はほとんど別の世界を生きているような印象が、僕にはある。

団塊の世代がそろそろ引退を始める中、この2つの世代がどのように
混ざり合っていくのかが、日本の非営利セクターにとって大事だと思う。


②世代交代にまつわる課題

世代交代をキーワードとした無数にある課題を、
筆者は特に代表的な5つの課題として以下のように整理している。
(こちらも意訳のオンパレードなのでご注意ください)

1.ベイビーブーマーの一斉リタイア
現在NPO業界を支えているベイビーブーマーは確実に高齢化しており、
このままでは彼ら/彼女らが一斉に辞めて、業界が空洞化する恐れがある

2.ベイビーブーマーの居座り
一方で、古い世代はできるだけ組織に居座り続けてたいと思っている
若い世代はマネジメントの機会が与えられず、自らの将来像が描けていない

3.CEO(事務局長)という役職の魅力のなさ
権限譲渡を上手くできない組織が多く、CEOのバーンアウトが後を絶たない
結果としてNPOのCEOという役職に魅力がなくなり、若い世代が興味を示さない

4.後継者を育成する意識の欠如
NPOのリーダーたちは業界の次の担い手がいないと騒いでいる割に、
自身の組織に既にいる若い世代をリーダーに育てようという意識が見られない

5.時代遅れなNPOの組織体制
40年前に作られた官僚的な組織体系は時代遅れになっているが、
旧来の体制に固執する団体が多く、新しい世代を呼ぶ魅力が失われている


こちら、どれも日本のNPOにとっても大事な課題だと思うけれど、
特に2.居座り問題5.組織体制の問題が日本では深刻なのではないだろうか。

居座り問題
日本のNPO業界では、冒頭のタイズ財団のパイクさんのように勇退する
CEOはほぼ皆無なんじゃないかと思う。感覚としては、新規団体をのぞけば
CEOの平均年齢は毎年1歳近く上がっている状況なんじゃないかと思う。

「俺がいなきゃダメだ」は正しいかもしれないけれど、
組織のため、業界のために勇気をもって退くことも必要だと思う。

組織体制の問題
特に、理事会に権限をもたせすぎる現行の組織体制は見直す必要があるように思う。
自分も何度か経験したけれど、特に規模の小さなスタートアップの団体では、
身のこなしが遅い理事会が邪魔になって小回りが利かなくなることがとても多い。

NPOが誰にとっても更にパワフルな社会変革のツールになるには、
団体ごとのニーズに合った組織体制の柔軟化もとても大事なことだと思う。


と、またしてもマニアックなことを長々と書きすぎました。
ここまで読んで頂いた稀有な方、そんな方がもしもいたとしたら、本当にありがとうございます!