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志が仲間を集める

NPO法人クロスフィールズを自分たちが創業したのは2011年5月3日だけれど、
僕自身が起業準備に時間を使い始めたのは、もう少し前の去年の1月末からだ。

たしか1年前の今日が、「起業しよう」と本気で思い始めた日だったと思う。

そう、早いもので、あれからもう1年が経ったわけだ。

まだまだ何も成し遂げていないわけだけれど、何とかこの1年間心を折らずに
何とかやってこれたのは、ひとえに、多くの人からの支えがあったからだと思う。

家族、友人、そして、自分たちが掲げる志に共感して集まって下さった方々の
様々なサポートがあってこそ、僕はなんとか希望を捨てずに頑張れるのだと思う。

本当に、感謝・感謝・感謝です!


そして、何とも嬉しいことに、今年に入って自分たちの組織も少し大きくなった。

まだまだ小さな組織だけれど、こうして仲間が集まって組織が大きくなるプロセスは、
こんな幸せは味わったことがないと思えてしまうほどに、何とも最高なことだ。

何より自慢なのは、いま一緒に働いてくれている仲間たちというのは、
当たり前かもしれないけど、お金やステータスのために集まった人たちじゃないこと。
みんな、団体が掲げている志に惹かれて集まってきてくれる仲間たちだ。

そして、自分でもビックリするくらいに、「まさにこんな人がいればと思っていた!」
というような素晴らしい仲間が、続々とクロスフィールズに加わろうとしてくれている。
普通の企業だって、こんなに優秀な人材を集めるのは難しいんじゃないかと思えるほど、
とても前向きでヤル気に溢れた仲間たちが、この小さな団体に集結しているのを感じる。

まさに、志が共鳴して、仲間が集まっている感じだ。


というわけで、人が増えて更に活気が出てきたクロスフィールズ号、
これからも志を高く、元気いっぱいに前へ前へと進んでいきます!!


NPO法人クロスフィールズ
小沼大地(@daichi0715

立志尚特異

ここのところ、少しずつ自分たちの活動がメディアに取り上げられることも
でてきて、自分の考えていることを文章にしたり話したりする機会が増えている。

ただ、慣れていないこともあるし、まだ何も成果を上げていない自分のような
若造に言えることなんかあるのかなぁとも思い、いつも「うーん」と唸ってしまう。

でも、実は年末年始に色々な年齢層向けの文章を3本くらい書く機会があったのだけど、
気付いてみると、ほぼ同じメッセージを伝えようとしている自分に気付いてハッとした。

・日本ギャップイヤー推進機構協会(JGAP)に寄稿した文章
・日本生産性本部さんの生産性新聞に寄稿した文章

正直、まだまだ自分の思想哲学が固まっておらず、また、そもそもの文章力がなさすぎて
上手く伝えられないのだけれど、最近、僕なんかよりも数千倍くらい自分が伝えたいことを
言い表している文章に出会ったので、ぜひともそれを紹介したい。


立志尚特異 (志を立てるためには人と異なることを恐れてはならない)
俗流與議難 (世俗の意見に惑わされてもいけない)
不思身後業 (死んだ後の業苦を思い煩うな)
且偸目前安 (目先の安楽は一時しのぎと知れ)
百年一瞬耳 (百年の時は一瞬にすぎない)
君子勿素餐 (君たちはどうかいたずらに時を過ごすことなかれ)

吉田松陰



なぜか僕は小学生の頃から吉田松陰のことが好きだったのだけれど、
いまになって彼が書いた文章を読んでみると、改めて、
彼の思想哲学がいかに深く、力強かったかということを痛感する。

そして、何よりも驚いたのは、彼がこの漢詩を
書いたのは若干28歳の時だったということだ。

そもそも、明治維新の中核となった数々の志士たちを輩出した松下村塾を
起ち上げたこの吉田松陰という人物が安政の大獄に処されたのは、29歳の時だ。
若干29歳の青年が成し遂げたことの大きさを考えると、ただただ圧倒される。

僕もいま、29歳。
自分のこれまでの人生と彼の生涯とを比べると、恥ずかしくてたまらない。

でも、今までの人生を後悔したって仕方がないわけで、
これからの人生では彼の漢詩にあるような生き様を思い切り体現して、
自分なりの思想哲学をゆっくりとゆっくりと、磨いていきたいと思う。

というわけで、自分、明日からも頑張ります!

NPO法人クロスフィールズ
小沼大地(@daichi0715

つながる【Connected】ということ

先週「C世代」について書いてみて、嬉しいことに、色々な方からコメントを頂いた。
ということで、せっかくなので、もう少しこのテーマで記事を書いてみようと思う。

日経新聞によるC世代の紹介:
コンピューター(Computer)を傍らに育ち、ネットで知人とつながり(Connected)、
コミュニティー(Community)を重視する。変化(Change)をいとわず、自分流を
編み出す(Create)。ジェネレーションC、未来へ駈ける。


この中に出てくる、"Connected"という言葉に注目してみたい。

たしかに、いまの世の中は、人と人とがつながりやすくなっている。
FacebookやTwitterを使えば、大げさではなく、
本当に簡単に世界中の誰とでもつながりを持つことができる。

おそらく、1人の人間が持つ知り合いの人数というのは、
一昔前と比べたら爆発的に増えたんじゃないかと思う。

でも一方で、そんな時代だからこそ、表面的な関係ではない、
深い部分でつながりあっている仲間の存在こそが
とても価値のあるものになってきているとも感じている。


僕は4年ほど前から、コンパスポイントという名前の、
「情熱の魔法瓶」という恥ずかしいキャッチフレーズを掲げた
同世代向けの非常に熱苦しいコミュニティを運営している。

このコミュニティは、はじめは大学時代の部活の同期4人だけで
始めた小さな集まりだったが、「こいつは熱くて気持ちいい奴だ」と
自分が自信を持って推薦できる人だけを紹介制で広げていくという
ルールのもと、これまでに沢山の同世代が集まってきてくれた。

自分たちがとっている人とのつながり方は、FacebookやTwitterで
ちょっと興味分野が重なる人と気軽につながっていく方法とは、
ある意味、真逆といっても良いような原始的なやり方じゃなかろうか。

でも、僕やメンバーたちが、コンパスポイントという
コミュニティをかけがえのない大事な場所だと思っているとしたら、
その源泉はこのあたりにあるんじゃないかなとも思っている。


ネットを介してつながりあう場合というのは、ほとんどの
ケースにおいて、何かしらの興味分野やキーワードなどを軸として、
特定の目的に基づいて集まっている場合が多いように思う。
一方、自分たちのような組織では、そこが決定的に違っている。

設立当初からコンパスポイントのアドバイザーをして下さっていて、
コミュニティの専門家であるNPO法人CRファクトリー代表の
呉哲煥さんから、何年か前に頂いた言葉がある。

「君たちの資産は、仲間たちのつながりそのものだ」

この言葉には、すごくハッとさせられた。もともと自分は、
全ての組織には当然目的があって、その目的が達成できないのであれば、
その組織は解散してもよいのではないかと思っていた。

でも、呉さんの言葉を借りれば、「本当に価値のあるコミュニティなら、
仲間たちが求めていることをできていれば、それでいい」のである。

つまり、「つながること」を目的にしたコミュニティにおいては、
参加者や運営者がその時々に必要としていることや楽しいと思えることを
できてさえいれば、それで十分に組織としての価値があるということだ。


もちろん、どっちが正しいとか、そういうことではない。

でも僕は、これから益々ネットを介したつながりが増えていく中で、
そういう人間同士のつながり自体を目的とした変なコミュニティが
少しくらいはあってもいいんじゃないかなぁと、けっこう思うんです。

10年後も20年度も、じいちゃん・ばあちゃんになった時にも、
仲間で集まって一緒にワクワクすることをしていたいなぁなんて、
僕たちの妄想は、どこまでもどこまでも、膨らんでいきます。

NPO法人クロスフィールズ
小沼大地(@daichi0715

C世代とは誰か

佐別当隆志氏(@sabe0524)のブログ記事に触発され、
今日はちょっと自分も真面目なことを書いてみたい。

この正月の新聞各紙の特集には、若者の変化にスポットライトを当てたものが多かった。
特に日経新聞では20-30代の若者を”C世代”と呼び、かなりの話題になっている。

日経新聞によるC世代の紹介:
コンピューター(Computer)を傍らに育ち、ネットで知人とつながり(Connected)、
コミュニティー(Community)を重視する。変化(Change)をいとわず、自分流を
編み出す(Create)。ジェネレーションC、未来へ駈ける。


実は僕も世代論には以前から興味を持っている。特に、いまC世代と称されている、
29歳の自分と同世代の人間たちは、世代としての共通の原体験を持っているのでは
ないかと思い、これまでずっとこの世代について考えてきた。

C世代とは、小・中学校時代に阪神大震災を経験し、そこからNPO法人や
社会貢献活動が爆発的に日本社会に定着していくのを見てきた世代だ。
また、大学時代には9.11やITバブルの崩壊を間近で経験し、お金を儲けて
幸せになるという価値観の崩壊も、肌感覚として経験している。

こうした世代としての共通経験の結果として、C世代の人間たちは、
「社会を変える」ことにこそ生きる意義を見出すようになり、
社会起業家的な働き方を始めるに至ったのではないかと僕は考えている。


先述の佐別当氏の記事では、このC世代を更に「第一世代」と「第二世代」とに
分けて論じられている。(僭越ながら、記事では僕についても触れて頂いている…)

駒崎弘樹さん(32)のような就職経験なく社会起業を立ち上げてきた人たち、
働き方革命のイベントでもご一緒する盟友、育て上げネットの工藤啓さん(34)の他、
NEWVERYの山本繁さん(33)、かものはしの村田早耶香さん(30)、
マザーハウスの山口絵里子さん(30)が活躍しています。

彼ら社会起業家という言葉がほとんど知られていない頃から、想い一つで
起業した世代を社会起業家第一世代と呼ぶと、第二世代は「C世代駆ける」でも
紹介されていた転職を経て社会起業した人たち。

Learning for allの松田悠介さん(28)は、
体育教育→ハーバード教育大学院→プライスウォーターを経て起業。
クロスフィールズの小沼大地さん(29)はマッキンゼーを経て起業。
HASUNAの白木夏子さん(30)は、投資ファンドを経て起業。
第2世代が今後さらに活躍し、増加するのは想像に難くありません。


さて、ここで僕はちょっとした違和感を覚える。

C世代とは、就職をせずに社会起業家になった人たちや、
会社を辞めて社会起業家になった人たちだけのことを指すのだろうか。

僕は、そうではないと思う。

C世代の大部分は、大組織で働くビジネスパーソンたちだ。

彼らは、「働くことを通じて社会を変えたい」という情熱を胸に秘め、
日々、懸命に目の前の仕事に取り組んでいる。もちろん、大組織の壁に
阻まれて上手く情熱をカタチにできないことは多いけれど、
それでもどっこい頑張っている同世代の仲間は、本当に沢山いる。

そして、これから本当の意味で社会を本当に変えていくのは、
第一世代や第二世代ではなく、間違いなく、大組織で働く仲間たちだ。
(彼らを勝手に"第三世代"だと名付けさせてもらうことにする)

彼ら第三世代には、大組織のリソースを動かすことができる。
これは、第一世代や第二世代の社会起業家たちにはできないことだ。
組織の中にいるC世代の仲間たちが、大組織の持つ力を存分に活用する
ことによってこそ、社会は初めて変わっていくのではないだろうか。

ただ、それには第三世代が胸に秘めた情熱を保ち続けることが大切だ。

僕がコンパスポイントというコミュニティやクロスフィールズという
組織で実現しようと思っているのは、実は、この一点に尽きる。
自分が敬愛する仲間たちの多くが、胸に秘めた情熱を燃やし続け、
その情熱をカタチに変えることをお手伝いするのが、僕のミッションだ。

もちろん、第一世代や第二世代が社会を変えられないとは思っていない。
自分たちの役割は、既成概念に縛られた社会に風穴をあけることだ。
小さな穴もなければ、何も始まらない。穴をあけることには、大きな意義がある。

それぞれが、それぞれの立場で、それぞれの役目を果たせば、
明日の社会だって確実に変わっていくと、僕は思うのです。


というわけで、C世代みんなで、未来へと思いきり駆けていきましょう!

NPO法人クロスフィールズ
小沼大地(@daichi0715

2012年の漢字

一昨年の2010年は、「徹」する年でした。

好奇心旺盛な自分に対して、あえていくつかのことに
集中するという制約を課して、できるだけ、自分がやると
決めたことだけに時間を使うように心掛けました。

昨年2011年は、「感」という漢字を目標に据えました。

自分がワクワクする気持ちや、涙が出るくらい心が動くことに
正直に向き合って、自分の感性を大事にするよう努めました。
それから、誰かの気持ちに共感することも大切にしようと決めました。

自分の感性や共感する力はまだまだ足りていないと感じていますが、
それでも、こうして自分の「感」じる力に意識を向けたことで、
起業をはじめ、いくつかの後悔のない行動を取ることができました。


そして2012年。

今年は、「誠」という漢字を掲げて1年を過ごしたいと思います。

昨年は5月にクロスフィールズを立ち上げ、信頼する仲間と
支援して下さる方々ともに、無我夢中で事業の根幹を創り上げてきました。

今年は、自分たちの事業が色々な意味で花開く年になるかと思います。
(アホだと言われそうですが、これには不思議なくらいに自信があるのです)

肝心なのは、自分たちが、どのように花を咲かすかということです。


大企業にサービスを導入して頂いても、事業がどれだけ飛躍したとしても、
展開している事業に自分たちが大事にしたいミッションが体現されていなければ、
自分たちがやっていることには何の意味もないと思うのです。

また、どれだけミッションを体現する事業が飛躍していったとしても、
一緒に働くメンバーたちが、自分たち自身で大事にしようと決めた価値観を
守れていなかったとしたら、それはチームとしては最低の状態です。

それに、日頃から自分たちを応援して下さる方々一人ひとりへの感謝の気持ちを
忘れるようなことがあったら、この事業には何の価値もないと思います。

そして何より、自分たちや応援して下さる方々がワクワクできるような、
「世の中を変えられる」実感を本気で持てる事業てなければ、この事業はダメなのです。


今年は、どんな状況にあったとしても、いま書いたような
自分が絶対に守らなければならないことに常に「誠」実に行動していきます。