終戦記念日に、日本とシリアの平和を願う
- Day:2013.08.15
- Cat:日々の考えごと

※ 下の文章は読んでも読まなくてもいいので、どうかこちらの
「シリアの平和を願う署名」に協力して下さい!30秒ほどで簡単にできます。
今日は8月15日。日本の、68回目の終戦記念日だ。
ニュースを見ていても、閣僚が靖国を参拝するかどうか
ばかりが話題となっていて、「平和」について考えるという
本来の意味合いが薄れてしまっている気がするのだが、
最近の僕は、「平和」について真剣に考える日々が続いている。
理由は、青年海外協力隊で約2年間を過ごした
自分の第2の故郷とも呼べる国、シリアの惨状だ。
シリアでは、2011年3月に始まったと言われる紛争により、
10万人以上が命を落とし、全人口の4分の1以上にあたる
550万人以上が住んでいた家を追われる状況になっている。
今や、僕の住んでいた辺境の村にも、紛争の影響は及んでいる。
僕の最も親しい友人とは、紛争が始まってからは特に密に連絡を
取り合ってきたけれど、はじめは「心配するな」と言っていた友人も、
日を追うごとに電話口の声が不安を隠せない様子になってきた。
そしてついに先週、珍しく彼の方から電話がかかってきて、
「ダイチ、お願いがある。僕と家族を助けてほしい」と伝えられた。
こんな言葉を彼から伝えられたことは今までなく、驚くとともに、
彼の心中を察すると、胸が張り裂けそうな気分になった。
彼は5年ほど前に念願の結婚を果たし、2人の子どもが産まれたばかり。
まさにこれから幸せな生活が始めるというところだった。
1人目の子どもが産まれたのは紛争が始まる直前だったのだが、
その時には僕も妻とともにシリアを訪ねてお祝いをしたものだった。

↑2010年の暮れに訪ねた時に撮った友人の長男の写真
いまや彼とその家族が住む村では、全人口の半分以上が村を捨てて
避難する状況だ。既に村を逃げているのは比較的に経済的に恵まれて
いる人々だ。決して裕福な方ではなく、また、幼い子供や年老いた
母親と暮らしている僕の友人は、なかなか村を出れずにいた。
そんな彼が、「もう限界だ」と言っている。
いままさに、何人かの友人たちと具体的な計画を話し合っている
ところだけど、自分が何かをすることで友人とその家族の生命を
救えるのだとしたら、本当に何でもしたいと心から思っている。
そして、こうしたシリアの現状を見るに見かねて、
勇敢な行動を起こした、尊敬する友人がいる。
彼の名は、田村雅文。33歳だ。

彼は青年海外協力隊としてシリアで働いていた時の同期で、
かけがえのない友人の1人だ。彼は、シリアの紛争が始まって
1年が経ったある日、会社を退職してシリア支援の活動をする
ことを決めた。奥さんと子ども2人を日本に残し、今はシリアの
隣国ヨルダンでシリア難民の支援の活動にあたっている。
また、日本国内でも、彼の呼びかけに賛同した青年海外協力隊の
仲間やシリアに滞在したことのある人たちは、彼を代表として
シリア支援サダーカという団体を立ち上げた。「シリアのために
何かできることを」という想いで、手弁当での活動を続けている。
しかし、日々状況の悪化するシリアの惨状にもかかわらず、
残念ながら日本国内ではシリアに対する関心は高いとは言えず、
むしろ低下しているとすら感じられるくらいだ。
そこでサダーカでは、「シリアの平和を願う署名キャンペーン」
と銘打ったインターネット上での署名キャンペーンを立ち上げた。
8月15日の終戦記念日から9月21日の国際平和デーまでの約1ヶ月間、
日本と世界それぞれが平和を祈願する日を区切りとし、
シリアの平和を願う声を集めるキャンペーンだ。いまこのタイミングで
少しでも多くの人にシリアの現状に対して目を向けてほしいという考えだ。
www.change.org/peace_for_syria
↑こちらがオンライン署名サイト上のキャンペーンページのURL。
トップページには、シリアの平和を願う動画も公開されている。
この署名キャンペーンについてのプレスリリースはこちら。
なお、このキャンペーンを実施するにあたっては、僕の友人である
ハリス鈴木絵美の運営する「change.org」というサービスを利用させて
もらっているが、とても簡単にインターネット上で署名ができ、
それをfacebookやtwitterで拡散できるという、素晴らしいサイトだ。
キャンペーンについて相談したところ、彼女からこんな言葉をもらった。
「残念だけど、こういう国際問題の署名を集めるのは、日本ではすごく難しい。
1,000筆集まったら、それはスゴいことだと思うよ」
そんな経緯もあって、今回の署名キャンペーンでは、"1000筆"という目標を
1つの区切りとして設定している。ぜひ何としもこの目標を達成して、
少しでも多くの人の目をシリアの現状に向けることに、貢献したいと思う。
この記事を読んで、何かしら感じることのあった人は、
ぜひともこの署名キャンペーンに参加してほしい。
そして、もしよければ、facebookやメールを使って、
この署名キャンペーンのことを、周囲の人に伝えて下さい。
8月15日、日本という国の平和、シリアという国の平和、
そして世界の平和について、願ってみませんか?
NPO法人クロスフィールズ
小沼大地(@daichi0715)
※ 当記事はNPO法人クロスフィールズ代表小沼の個人的著述です。

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