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浅田真央選手とお笑い芸人に見た応援の力と、僕が起業できた理由

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ソチ五輪での、浅田真央選手のフリーの演技。
これには日本中の人たちが大きな感動をもらったと思う。
僕もそのうちの1人で、出張中に、真夜中に1人、泣かされた。

時として、記録ではなく、記憶に残ることの方が尊いこと。
また、何を達成したかよりも、どう立ち向かったかでこそ
人間の真価が問われることを、教えてもらった気がする。

でも、僕が感動したのは、実は浅田選手の演技だけではない。

なんの因果か、僕の前職時代からの友人である
石井てる美(マッキンゼー出身のお笑い芸人)に、
僕は今回、とても感動させられてしまった。

石井てる美
↑石井てる美氏。著書に「私がマッキンゼーを辞めた理由」がある


彼女は昔からフィギュアスケートの大ファンで、
「真央ちゃんをどうしても応援したい!」という想いで、
なんとソチまで飛んで、フリーの演技を"全力で"応援したのだ。

どれだけ”全力"だったかについては、
彼女の以下のFacebookでのコメントを参照して欲しい。

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選手が集中を高める大事な時間に叫ぶのはKYだったりしないかなと案じて以前はそういうことしませんでした。でも、今シーズン真央ちゃんがインタビューで「演技前に真央ちゃんならできるって聞くとできる気がしてくる」って答えてるのを聞いて「そうなんだ!」と思い、ソチオリンピックでは絶対に私がその声を届けようと日本にいるときから決めていました。2階席だったのでよほど大きい声を出さないと届かないだろうと思い、声の限り叫んできました。
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で、彼女の"全力"がどれだけスゴいかは、
以下の放送の0:41付近を聞いてもらえば分かる。




さすがお笑い芸人、声が異常に通るのです。笑
アナウンサーの人も、しっかり拾っています。

「真央ちゃんならできる!」

きっと彼女の声は浅田選手の耳にも届いて、その声援は、
浅田選手が最高の演技をすることに、大きな貢献をしたんだと思う。

僕は石井てる美のこの全力での応援に、心から敬意を表したい。
本当に、お前はスゴい!



でも、思えば、「誰かの必死の挑戦を応援する」という
行為を見るのが、僕は昔からとても好きだった気がする。

もちろん、スゴい挑戦をしている人のことは尊敬する。
でも、それと同じくらいに、その挑戦を応援する
ことにも大きな力があるんじゃないかと思っている。

僕のこれまでの人生に多大なる影響を与えた人物に、
NPO法人ロシナンテス理事長の川原尚行さんという方がいる。

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彼は外務省の医務官としてスーダンで働いていたが、
スーダンの惨状を見るに見かねて仕事を辞めて、
現地で医療活動を行うNPO法人をゼロから起ち上げた。

今やテレビにも何度も取り上げられ、数々の賞も
受賞している著名なリーダーとして知られているが、
当初は成功する見込みもなく、ただただ想いだけで、
途方もなく無謀な挑戦に川原さんは取り組んでいた。

そこに現れたのが、彼が学生時代に主将をしていた
高校・大学のラグビー部の仲間たちだった。

彼らは、「川原のこの挑戦を応援しよう」と、
ある人はNPOの起ち上げに参画し、またある人は
資金面で思い切り活動をバックアップしたのだ。

まさに、全力での応援だった。
この応援で、ロシナンテスの活動は軌道に乗り始めた。

僕は川原さんに多大なる影響を受けたと書いたが、
よくよく考えてみると、別に僕は彼のことを見ていて
起業に向けて背中を押されたわけではないと思う。

むしろ、川原さんを孤独にさせまいと、仲間たちが
彼の無謀な挑戦を全力で応援している姿を見ていて、
僕は自分を奮い立たせることができた気がする。

挑戦は、応援があって初めて、人の心を動かすんだと思う。


日本社会には、挑戦する人の数が少ないとよく言われる。
でも、応援がなかったら、挑戦なんかできない。

挑戦を応援する風土が、日本にはもっとあるべきだ。


浅田真央選手の挑戦と、石井てる美の応援に感動して、
ボケーっと、そんなことを考えたのでした。

NPO法人クロスフィールズ
小沼大地(@daichi0715

※ 当記事はNPO法人クロスフィールズ代表小沼の個人的著述です。

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小さな組織が採用活動で抱えるジレンマ

DRIVEインタビュー_2

クロスフィールズはいま、総勢10人程度の小さな組織だ。

こういう小規模な組織が新しいメンバーを
迎え入れるということは、文字通り、一大事だ。

数百人・数千人の組織が新しい従業員を迎えるのとは
わけが違って、その人は10分の1くらいの存在感になる。
新メンバー加入のインパクトは、本当に計り知れない。


でもやっぱり、新メンバーの加入は、最高にワクワクすることだ。

クロスフィールズの場合、新メンバーの採用は事業拡張に
伴って行うので、新メンバーの加入とは、団体がこれまでは
できなかったことができるようになることを意味している。

それに、新メンバーはこれまでのメンバーが持っていなかった
個性をチームにもたらしてくれて、組織はダイナミックさを増す。

そして何より、ビジョンとミッションを共有して一緒に
走ってくれる仲間が増えることは、その事実だけで最高のことだ。


一方で、新メンバーの加入は、とても不安なことでもある。

正直に言えば、採用活動が失敗すれば、この規模の団体には
大きな痛手だし、場合によっては致命傷になることもあるからだ。

幸いにも、これまでクロスフィールズに加入した仲間たちは、
みんな最高に気持ちが良くて、信じられないほど優秀な人ばかりだ。
いまのチームメンバーは最高の仲間達だと、僕は心から思う。

でも、だからこそ、採用活動は本当に苦しい行為になっている。

新メンバーの加入は、いまのチームの純度を落とすことであり、
今の僕にはそのことが痛烈に寂しいし、とてつもなく怖くもある。

きっとこの悩みは、多くの小さな組織がかかえる、
採用活動における共通のジレンマなんじゃないかと思う。


でも振り返ってみて、クロスフィールズという組織は
このジレンマを上手く進化のプロセスにして来ていると思う。

副代表の松島とたった2人で始めたクロスフィールズは、
これまでの3年間、1人また1人と仲間が加わって、その度に、
チームの雰囲気や風土というものは、ガラッと変わった。

その変化とともに、予想もしなかったような化学反応が起きて、
それによって、組織は大きく成長することができたと思う。

この破壊と創造のプロセスを繰り返して、チームとして
じっくり成熟していく。創業期とは、そんな時期なんだと思う。


そんなクロスフィールズの職員募集、締切はいよいよ今週金曜。
こんな創業期の小さな組織の一員に、なってみませんか?

我こそはと思う方は、ぜひご応募を!
身の周りに興味を持ちそうな方がいれば、ぜひご紹介を!


詳しい採用情報はコチラまで!締切は今週金曜2月7日です。

DRIVE採用情報


NPO法人クロスフィールズ
小沼大地(@daichi0715

※ 当記事はNPO法人クロスフィールズ代表小沼の個人的著述です。

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