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二人の偉大な先人がこの世を去った2019年

少し遅れてしまったけれど、2019年の振り返りを書いておきたい。

2019年もまた、個人的にも色々なことがあった年だった。ただ、1年間を振り返ってみて最もインパクトのある出来事としていま思い出されるのは、やはり緒方貞子さん中村哲さんという国際協力の世界で活躍した2人の偉大な先人がこの世を去ったという事実だ。年末年始に改めてお2人の著作やドキュメンタリー映像などを見直す機会もあって、改めて、その功績の大きさや力強いリーダーシップにはただただ圧倒された。

お2人と同じ世界で仕事をする人間として、改めて、これからの時代をどのように生きていくべきなのかを、真摯に考えなければいけないと強く思っている。

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緒方貞子さんの功績と素晴らしさは、本当に数多くの視点から語ることができる。ただ、勝手に語らせてもらえば、彼女の真骨頂だったのは、現場主義を貫きながら、組織の論理を超えて巨大組織をあるべき方向に向かわせる大局観だったのではないだろうか。

UNHCRとJICAというある意味では巨大な官僚組織のなかで、トップとして人の血の通った意思決定をしていくというのは、僕なんかにはとても想像できないような困難な道だったはずだ。人間に対する優しさと厳しさの両方を持ち合わせた彼女の視線と行動力は、この世界に生きる身としては、少しでも継承していかなければいけないと強く思う。

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中村哲さんの残した印象的な言葉は以前のポストにも書いたけれど、彼が傑出していたのは、現地の人々に徹底的に寄り添う姿勢と、弱い立場に置かれた人たちに対する絶対的な優しさだった。

そして、中村さんが同時に持ち合わせていた大胆な発想力と行動力とが、60万人の人々のいのちを支える大規模な用水路を完成させるという偉業を成し遂げさせた。今回の事件に対するアフガニスタンの人々の反応を見ていると、これだけ途上国の現地社会から尊敬され愛された日本人はいないのではと思うほどだ。


お2人と仕事をしたこともない僕なんかが語るのもおかしな話だが、お2人に共通していたのは、前例や常識に囚われず、自分が人間としての心で感じ取ったことを堂々と発言し、大胆に行動に移していく姿勢だったのではないだろうか。そして、スタイルや役割はそれぞれ違えど、その姿勢と強い意志とが現場での大きな結果へとつながっていったのだと思う。

お2人に憧れる形で国際協力やNPO/NGOの世界に飛び込んだ若者たちは数知れない。緒方貞子さんの存在があったことは僕が国際協力の道に進んだきっかけの1つだったし、中村哲さんのようなカッコいい草の根の活動をされている方がいるという新鮮な驚きが、僕がNGOの世界にはまっていく要因だった。

2020年からのこれからの時代、お2人は残念ながらもう生きていない。ある意味では、これからは自分たちの世代こそが、次の世代に対して背中を見せていく番になっていく。まだまだ青二才だけれど、自分自身も、お2人が切り拓いた道とその視点の高さをしっかりと受け継ぎつつ、お2人のようなぶれない軸を持って、これからも前に進んでいきたいと思う。

明日からはいよいよ2020年の仕事が始まる。僕は僕の現場で、まずはしっかりと価値を出していきたい。

NPO法人クロスフィールズ
小沼大地(@daichi0715
※ 当記事はNPO法人クロスフィールズ代表小沼の個人的著述です。
※ 2016年9月2日(金)に初の著書が発売になりました。
『働く意義の見つけ方―仕事を「志事」にする流儀』(ダイヤモンド社)