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さぁみんな、NGOをつくろう!

いきなり何を言い出すんだと思われるかもしれないけれど、
いま日本には、新たな国際協力NGOが誕生していく機運が高まっているように思う。

いくつか、そう思う理由がある。



日本には国際協力系のSocial Enterpriseが少なすぎる

僕たちクロスフィールズは、国際協力の分野で活躍する
世界各国のNPO/NGOとパートナーシップを結んで活動をしている。

中でも僕たちは、ビジネスの力を使って社会の課題を解決しようとする
「社会起業家」「Social Enterprise」「Social Venture」などと呼ばれる団体を
各国で探しているけれど、こうした分類の国際協力NGOは、日本には数えるほどしかない。

アジア各国の“社会起業家”たちと話をしていると強く感じるけれど、
ビジネスの力を活用して国際的な課題を解決しようという動きは、世界的な潮流だ。
そんな中で、日本においてこうした分野で活躍する団体が少ないということは、
単純にすごくもったいないのと同時に、なんだか寂しいことのように僕は思う。


日本のNGOは歴史的な転換期を迎えている

日本の国際協力NGOの隆盛期は、過去に3回あったと言われている。

第1期は、1960年代から70年代にかけて。学生運動の志士たちが、ベトナム反戦運動の
終了とともに発展途上国を旅してまわり、その過程で生まれたNGOたちだ。
日本国際ボランティアセンター(JVC)シャプラニールなどが、その代表的な存在だ。

第2期は、1980年代初頭。World VisionPlan Internationalといった外資系NGOが、
日本においてファンドレイジングの機能のみを持つ支部を立ち上げた時期だ。

そして第3期は、1990年代後半。Peace Winds JapanJENなどといった、
緊急援助型の活動を行う日本発の国際協力NGOが立ち上がった時期だ。

しかしこれ以降、日本における国際協力NGOの歴史には、大きな動きはないように思う。

Peace Winds Japanが発足してから考えても、もうすぐ20年近くが経つ。

この間、二度の震災があった。阪神大震災と東日本大震災にあたっては、日本のNPO/NGOが
目覚しい活躍を見せ、日本社会のNPOに対する認識は大きく変わったと思う。

また、駒崎弘樹さんの立ち上げたNPO法人フローレンスや、
山口絵理子さんの立ち上げた株式会社マザーハウスは、
ビジネスと社会貢献の両立は可能であると日本社会に証明してみせた。

そして、ETIC.SVP東京のような中間支援型の市民組織や、
パナソニックNECなどの企業も、揃って「Social Enterprise」を支援する動きを加速させている。

この20年間で、舞台は大きくポジティブな方向に向かっているのだ。
そろそろ何か新しい動きが起きない方がおかしいのではないかと、僕は思う。


日本には潜在的なプレイヤーが沢山いる

そして最後に、僕はこのフィールドで活躍できる人材は日本に沢山いると思っている。

これは世界的な流れでもあるけれど、これからの「Social Enterprise」の
業界をリードするのは、ビジネスの世界で経験を積んだ人材たちだ。

そして、自分自身もそのうちの一人だったけれど、ここ5~10年間くらいを
見てみると、「Social Entrepreneur」として活躍することを目指して
ビジネスの世界に入った人間が、日本にもかなりの数いるのではないかと思う。

そうした人材たちが、日本の国際協力NGOの歴史に名前を刻むような
インパクトを生み出す団体を立ち上げるべき時が、いま来ていると思うのだ。



僕自身もNPOを立ち上げているわけだけど、自分が起業する前に考えていた以上に、
いまの日本社会におけるNPOに対する偏見は払拭されていると思うし、
明確なビジョンを共有することができれば、様々な個人や組織が応援してくれる
土壌が日本社会にも整っていることを、自分たちは日々実感として感じている。

だからこそ、日本の国際協力NGOには、いま空前のチャンスがあると、思うのだ。
そして、そんな挑戦をしたい人たちの背中を押したいと、僕は心から思うのです。

さぁみんな、今こそNGOをつくろう!

NPO法人クロスフィールズ
小沼大地(@daichi0715
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