サンフランシスコで考えてみた
- Day:2007.10.15
- Cat:学生時代(海外編)
先進国での個人旅行は初めてなわけだけど、
物価が高い以外は特に不自由もなく、快適に過ごしてます。
今いるのは、サンフランシスコのバークレーというところ。
かの有名なUCバークレーという大学のためにあるような小さな街だけど、
ヒッピー文化発祥の地だったり、ベトナム戦争反対運動の中心だったりと、
めちゃくちゃリベラルで市民活動が活発な地域としても知られてる。
当然、ボクが研究対象にしてる非営利組織(NPO)も沢山ある。
この街で、目星をつけてたいくつかの団体で話を聞いたり、
実際にボランティアとして活動したりするのが今回の滞在の目的だ。
ちなみにあと2週間くらいはこの付近にいる予定。
まぁ調査はまだまだこれからって感じだけど、街をブラブラ歩いたり
ボランティアしたりとかして、とりあえずは何となく雰囲気を掴もうとしてる段階です。
下の写真は、「幸せのちから」って映画にも出てくる、
貧民救済をミッションにしてるグライド団体の外観。
ここで炊き出しの手伝いしたりとか、そんな地味なことをボチボチやってます。

さて、自分の頭の中を整理するためにも、
これまでの気付きを簡単に書いてみようと思う。
まず思ったのは、市民と行政の距離がすごく近いってこと。
アメリカでは、行政がしっかりしてない領域ではNPOが活躍しまくってると思ってた。
でも、その認識はだいぶ間違ってるような気がする。
確かに、美術館の運営とかの一部の領域ではNPOが主なサービス提供者だけど、
障害者やマイノリティーとかの社会的弱者への配慮を始めとした大部分の領域では
むしろ行政がきめ細かいサービスを提供してるって印象を受けた。
で、聞くところによれば、これらは市民が運動を起して
行政に対して自分たちの考えを伝えて、それを認めた行政が制度化した結果らしい。
こういうプロセスが上手く機能してるところに、ボクはこの街のスゴさを感じた。
市民の運動が活発になるためには、やっぱり行政の力が大事なわけだ。
市民と行政で力を合わせて何かを作るって雰囲気、
日本でもガンガン作っていきたいですね。
もう一つ、この街のボランティア制度について。
アメリカではボランティア人口が日本とはケタ違いで多いわけだけど、
それはキリスト教的精神に起因するボランティア大好き風土が原因だってよく言われてる。
でも、一緒にボランティアしてた人たちの様子を見てて、
それってちょっと違うんじゃないかなって思い始めてたりします。
少なくとも、若い人間に限っては、
何かのメリットがあるからこそボランティアをしてるって場合が多い。
高校受験とかを見据えて内申点を上げるためだって言ってるヤツもいたし、
他の人はボランティアすれば宿と食事がタダで提供されるからだって言ってた。
他にも、軽犯罪を犯したペナルティだから仕方なくボランティアしてるってヤツもいた。
それに、学校の社会科見学でボランティアを体験させる制度もあるみたい。
そう、宗教うんぬんではないのです。実利とか義務だったりするのです。
まぁもちろんそうじゃない人もいるんだろうけどさ。
ともあれ、こうした制度とか仕組みによって若いうちからボランティアに触れることで、
定年を迎えてやることがなくなったら「まぁボランティアでもしてみるか」
とかって思ったりする人も増えていくんじゃないだろか。
そう、もともとボランティア大好き人間が多いってわけじゃなく、
制度や仕組みってものが結果的にボランティア文化を作りだしてるわけ。
「文化はそこにあるものではなく、つくりだすもの。」
こんな風に考えると、なんか気持ちが明るくなってきませんか?
・・・長々と書きましたが、そんな感じがこれまでの気づきでしょうか。
これからもアメリカの空気吸いながら色々と妄想しようと思いまっす。
ではでは、また。