Room to Read
- Day:2009.10.20
- Cat:会社員時代(アメリカ編)
そのRoom to Read(RtoR)が年に1回のファンドレイジングイベントを行うという情報をキャッチし、セレブな雰囲気の漂う会場に、例によってジーパン姿で潜入してきました。せっかくなので、おそらく世界でも屈指のファンドレイジングイベントについて、備忘録的にご報告します。
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①会場の雰囲気
まず、参加者は200人程度。30代後半から50代くらいの人が中心で、ドレスアップしている人も多かったです。ちなみに会費はVIPが$125、一般$50と分かれています。僕は当然「一般」にて参加しましたが、VIPは前入りしてジョン・ウッドさんとの会話が楽しめたらしいです。
会場はサンフランシスコの一等地であるCivic Centerの横のオペラハウス。テラスもある、非常に素敵なところでした。


こうしたセレブ感が漂う一方で、会場にはボランティアが至るところにいて、この会がボランティアの協力によって成り立っていることが参加者に伝わってきました。これによって、会場にある種の温かみも感じられた気がします。泥臭すぎず、また上品すぎない、この辺のバランスが上手いなぁと、感じました。
ちなみに会場では、美味しそうな食べ物とワインがボーイさんによって振舞われます。写真は今日のイベントのためにラベリングされたRtoRオリジナルワインです。

②ジョン・ウッドさんのスピーチ
上の本の著者でありRtoRのFounderでもある彼も、当然会場に姿を現していました。カリスマ的なオーラがあるというよりは、温厚な人柄といった印象の彼ですが、スピーチはとても上手かったです。正味20分くらいのスピーチで、観客を魅了していました。
印象的だったのは、とにかく子供たちの写真を効果的に使うこと。それから、数字(設立した学校の数、寄付学などなど)を畳み掛けるように使って、とにかく成果が出てることを強調していること。特に、カーネギーを引き合いに出して、「彼がアメリカ中に2500の図書館を建てたように、RtoRは世界中にxxxxの学校を作る!」といったシーンはインパクトがありました。(すみません、数字覚えてません。。。)

ただ、その一方で、あまりプロジェクトの詳細には触れない、という印象も受けました。これは会場の6-7割くらいが初めてRtoRのイベントに足を運んだ人たちだったからかもしれませんが、個人的にはちょっとした消化不良でした。子供たちの笑顔というビジュアルと、圧倒的な数字とに、どこか誤魔化されているような感覚を覚えてしまいました。このあたり、日本のNPOは一般的にもっと詳細を説明している気がします。まぁ、良し悪しですね。
③ファンドレイジングの仕掛け
さて、肝心のファンドレイジングですが、基本的にはオークションがメインでした。会場の至るところにある帳簿にサインして入札する形式と、実際に会場全体で競りのような形で行われる形式の2パターンがありました。

圧巻だったのは、競り形式のオークション。なんとジョン・ウッド本人がauctioneer(オークションの司会)をやっていました。これには本当に驚きました。そして、これがまた本当に上手い!ワインなどを中心に、$5,000くらいの値段がバンバンついてました。。。夫婦や友人同士で来ている人が多く、互いにいいとこ見せようと張り切ってトンでもない値段がドンドンついていくんです。。。
このエンターテインメント性の高さは、スゴいの一言です。。。
ただし、auctioneer立会いでの競売形式は既存の日本のNPO支持層には馴染まないようにも思います。日本人には、まだ金持ちの道楽としてのイメージが強く、きっとこれを日本でやったら一部の人からは批判も噴出するんじゃないでしょうか。。。
とはいえ、日本にもこうしたファンドレイジングを求める層も間違いなくいるわけで、こうした形式もターゲットに応じて取り入れていくべきとも思います。お金持ちからどれだけ寄付を獲得できるかは、当然ながら重要です。
にしても、代表がここまで先陣を切ってファンドレイジングをやってる団体、なかなかないですよね。
+++++
と、備忘録はこんなところでしょうか。
いやぁ、それにしても、かなり勉強になりました。
$50分くらいのワインは飲んだ気もするし、十分にお金を払った価値のあるイベントでした。
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